
インクジェット対応和紙には、豊富な種類があります。
楮(こうぞ)を原料とする和紙にも、色や厚さの異なる和紙があります。
楮和紙のご案内はこちらからどうぞ。(外部サイトへリンクします)
今回は5種類の楮和紙に絵画を印刷しました。
また、それぞれの作品に適した展示方法をご紹介します。
和紙選択のポイントは色、厚み、模様
楮は繊維が太く長いため、強く、軽く、長持ち、という和紙の特徴を備えています。キヤノンオンラインショップでは、厚さや色が異なる5種類の楮和紙を扱っています。
紙の色
白と生成(きなり)の2種類があります。
白は発色が良く、どんな絵にもマッチします。
生成はナチュラルな黄みがかった紙の色が特徴です。日本画との相性が良い紙です。
紙の厚み
薄口と厚口の2種類があります。
薄口は薄くてしなやかなので、タペストリー棒での展示に向いています。
厚口は厚みがあるので、額縁やパネル貼りの展示に適しています。
紙の模様
和紙には様々な素材をすき込むことができます。
雲流は楮の繊維を漉き込んだ紙です。光に透かすと筋状の繊維が浮き上がります。

和紙の特徴を生かした展示方法
絵画を飾る場合、余白を設けると絵が引き立ちます。
和紙に印刷した作品では、和紙の風合いを活かすために、余白を大きめにすると良いでしょう。
5種類の和紙の特徴を生かした、展示事例を紹介します。
楮 薄口 白

江戸時代後期の画家、谷文晁(ぶんちょう)の作品です。
200年ほど前の作品ですが、鮮やかな色彩が印象的です。緻密で鮮やかな色彩を表現するために、地色の白い楮紙に印刷しました。
和紙の質感を表現するために、タペストリー棒で展示しました。タペストリー棒は額縁やカバーがないので和紙の質感を味わうことができます。
楮 厚口 白

20世紀初頭のフランスの画家、ルドンの作品です。
和紙の柔らかい質感が絵の背景のくすんだ色合いとマッチします。
額で展示する場合は厚みのある紙がお薦めです。額は100円ショップで購入しました。額のチェリー色は絵の背景と同系色、葉の緑とは反対色です。
白い余白にカラフルな花がよく引き立っています。
『Vase of Flowers』のダウンロードはこちらから
楮 薄口 生成

江戸琳派(りんぱ)の生みの親、酒井抱一(ほういつ)の作品です。
琳派の絵は高いデザイン性が特徴です。小さなサイズで印刷してもデザイン性は損なわれません。絵が引き立つように、余白を大きくとって印刷しました。生成の紙色と薄茶の絵の背景がよく合います。
オリジナルは縦長の掛け軸作品なので、タペストリー棒で展示しました。
楮 厚口 生成

江戸琳派を代表する絵師、鈴木其一(きいつ)の屏風絵です。鈴木其一は酒井抱一(ほういつ)に弟子入りして絵を学びました。6枚のパネルで構成された、左右2セットの屏風絵です。
左右の屏風を一枚ずつ印刷して、粘着パネルに貼りました。粘着パネルはシールをはがして、パネルに作品を貼ることができます。粘着パネルは好みのサイズにカットできるので、横長の屏風絵や、襖絵、縦長の掛け軸作品などを展示するのに便利です。
粘着パネルに貼る場合、厚みのある紙の方がきれいに貼れます。屏風の金箔背景と生成の地色が調和して、落ち着いた雰囲気の作品に仕上がりました。
雲流
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江戸時代後期の浮世絵師、歌川広重の作品です。山深い木曽の雪景色を3連の版画で描きました。
雲流には楮の繊維が筋状にすき込んであります。浮世絵など、余白の多い絵を印刷すると、筋が余白の部分にアクセントをもたらします。画面の大部分を占める雪山に、楮の筋が変化を生み出しています。

キヤノン・オンラインショップで扱う5種類の楮和紙と印刷・展示のコツをご紹介しました。
お気に入りの絵画を和紙に印刷して、お部屋に飾りませんか。
楮和紙のご案内はこちらからどうぞ。(外部サイトへリンクします)
浮世絵には大判、中判、小判、等のサイズがあり、最も一般的なサイズが大判(約39cm☓26.5cm)です。
大判の浮世絵を原寸で鑑賞したい方に、大判の和紙に印刷した作品をご用意しました。
大判の浮世絵作品ご紹介はこちらから