クリエイティブパークの西洋画 年間ダウンロードランキングでは、印象派の作品が上位を占めています。中でもモネとゴッホは人気が高く、ベスト10に3作品ずつランクインしています。
なぜゴッホとモネは人気が高いのでしょうか。
日本とのかかわりで、両者に共通なのは、熱心な浮世絵の収集家だったことです。江戸時代の大衆芸術である、浮世絵の影響を受けた二人の絵画が、日本人に愛されるのは自然な成り行きです。
モネとゴッホの「浮世絵」との関わりを紹介します。
西洋画 2021年間ダウンロードランキング ベスト10
クリエイティブ・パーク「名画」カテゴリの西洋画部門 2021年間ダウンロード数ランキングを紹介します。
モネが3作品、ゴッホが3作品、それぞれランクインしています。
西洋画 年間ダウンロード数ランキング
モネ ~自宅に日本風の庭を作り『睡蓮』の連作を製作
モネの浮世絵コレクション
モネは43歳でパリ近郊の村、ジベルニーに移り住みました。ジベルニーの館には233枚の浮世絵コレクションが残されています。
浮世絵作者を多い順に並べると、広重49図、歌麿39図、北斎22図、国芳12図、国貞9図、以下栄之、清長、写楽、豊国と続きます。
モネは浮世絵を自宅の食堂や居間、寝室に飾っていました。食堂には最も多い、56作品が飾られています。
現在、ジベルニーの住まいは整備され、一般に公開されています。
ジベルニー「水の庭」と連作『睡蓮』
モネはジベルニーに庭を作りました。庭は「水の庭」と「花の庭」に分かれています。
「水の庭」は浮世絵を参考に造園した、日本風の庭です。池に睡蓮を植え、日本風の太鼓橋や藤棚が作られました。モネは睡蓮を題材に、多くの連作を手掛け、モネの代表作になりました。
葛飾北斎は浮世絵『富嶽三十六景』や画帳『富嶽百景』で富士山を題材にした連作を手掛けました。モネの連作は日本の浮世絵の連作に影響を受けたと言われています。
葛飾北斎が印象派に与えた影響は下記の記事で紹介しています。
葛飾北斎『富嶽三十六景』とジャポニスム| 印象派の絵と比べました
モネは晩年に、高さ2メートルの『睡蓮』の壁画を制作しました。『睡蓮』の壁画8作品はフランスのオランジェリー美術館で展示されています。『睡蓮』専用の展示室が2部屋設けられ、360度のパノラマで作品を鑑賞することができます。
オランジェリン美術館の『睡蓮』展示室はこちらから(外部リンク)
新作品紹介
クリエイティブパークで新規に公開したモネの作品を紹介します。
睡蓮
西洋画ランキングではベスト10に「水の庭」を描いた、『睡蓮』と『日本橋』の2作品がランクインしています。新たに『睡蓮』2作品を公開しました。2作品ともシカゴ美術館の所蔵品です。
作品名をクリックすると、作品をダウンロードすることができます。
描かれる季節や時間、天候で庭の表情は異なります。連作によりモネは、移ろいゆく庭の表情を描きたかったのです。
他の新公開作品
『睡蓮』の他に、下記8作品を新規に公開しました。いずれもシカゴ美術館の所蔵品です。
新規公開作品
日本で見られるモネの作品
■『睡蓮』
国立西洋美術館にはモネと親交のあった実業家、松方幸次郎が収集した『睡蓮』が常設展示されています。『睡蓮』の壁画も近年発見され、修復して展示されています。
■『睡蓮』の壁画
徳島県の大塚美術館で、オランジェリー美術館所蔵『睡蓮』壁画の一部作品の実物大複製を見ることができます。
詳しくはこちらから(外部サイト)
■水の庭
・高知県 北川村「モネの庭」
本家ジベルニーと提携し、モネの庭を再現しています。「花の庭」「水の庭」「ボルティゲラの庭」を見ることができます。
詳しくはこちらから(外部サイト)
・静岡県 浜名湖ガーデンパーク
2004年に開催された浜名湖花博の会場に作られた庭です。「花の庭」「水の庭」を見ることができます。
詳しくはこちらから(外部サイト)
ゴッホ ~日本の風景を求めてアルルに移住
ゴッホの浮世絵コレクション
ゴッホは数百点の浮世絵を所持していました。ゴッホは浮世絵の明るい色彩を求めて、日本に似た環境であろう南仏のアルルに引っ越しました。ゴッホの名作の数々は南仏で生まれたのです。
オランダのゴッホ美術館ではゴッホの浮世絵コレクションをオンラインで見ることができます。
ゴッホの浮世絵コレクションはこちらから(外部サイト)
日本への憧れ 弟テオ宛の手紙より
ゴッホは画商の弟、テオからの援助で制作活動をしました。筆まめなゴッホはテオに多くの手紙を送りました。
手紙には日本への憧れを垣間見ることができます。
日本の芸術を研究してみると、あきらかに賢者であり哲学者であり知者である人物に出会う。彼は歳月をどう過ごしているのだろう。地球と月との距離を研究しているのか、いやそうではない。ビスマルクの政策を研究しているのか、いやそうでもない。彼はただ一茎の草の芽を研究しているのだ。
『ゴッホの手紙/中巻』第500信 岩波文庫 より
<中略>
日本の芸術を研究すれば、誰でももっと陽気にもっと幸福にならずにはいられないはずだ。われわれ因襲的な世界で教育を受け仕事をしているけれども、もっと自然に帰らなければいけないのだ。
新公開作品
新たにクリエイティブパークで公開したゴッホの作品を紹介します。
『糸杉』 ~縦構図バージョン
ダウンロードランキング1位の『糸杉のある麦畑』で描かれた糸杉の縦構図バージョンです。メトロポリタン美術館の所蔵作品です。
画像をクリックすると作品をダウンロードできます。
ゴッホはテオ宛の手紙でこの作品を以下のように解説しています。
いつも糸杉に心を惹かれる。ひまわりを扱ったように描いてみたいのだ。まだ僕が感じているように描いたものを見たことがないのだ。線が見事で、ちょうどエジプトのオベリスクのような機構を備えている。
『ゴッホの手紙/中巻』第596信 岩波文庫 より
他の新公開作品
『糸杉』の他に、下記3作品を新規に公開しました。タイトルをクリックすると、作品をダウンロードできます。
新規公開作品
関連情報
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参考文献
『ゴッホの手紙』岩波文庫
『モネと浮世絵-ジベルニー時代のコレクション展』図録 読売新聞社/1983年