年賀状のマナー
一年に一度の年賀状。どのように書いたら良いか忘れてしまう方も多いはず。
ここでは年賀状の基本的な書き方やマナーをご紹介いたします。
送る時期
12月15日から25日ぐらいまでに投函すれば元日に届けられるとされていますが、特に遠方へ出す場合には早めに済ませておいた方が無難です。
松の内(1月7日)までに届けば失礼にはあたりませんが、なるべく1月3日までには届けたいものです。
松の内に間に合わなかった場合には、年賀状ではなく寒中見舞いとして立春(2月4日)までに届けます。
喪中で年賀状が出せない場合には、年賀欠礼(喪中はがき)を11月下旬から12月上旬に届くよう発送します。
寒中見舞いは喪中の相手にも送ることができるので、年賀欠礼を受け取った場合には、寒中見舞いでお悔やみやいたわりの気持ちを伝えるとよいでしょう。
宛名面と通信面の書き方
- 宛名面
- 通信面
宛名面
①宛先の住所
宛先の住所は、郵便番号の右端の枠よりも外に出ないように書くときれいに見えます。住所が2行以上にわたる場合には、建物名などキリのよいところで改行し、2行目の書きはじめは、1行目の頭よりも半文字~2文字分ほど下げます。住所の文字数によってバランスを考え、すっきりと見えるように配置しましょう。文字を書く際には、なるべく文字と文字の間隔を詰め、1行目よりも2行目の文字を少し小さくするとおさまりが良くなります。
②数字
縦書きの場合には、漢数字を使用し、住所の文字よりも少し小さく書くときれいに見えます。
「12」は「一二」、「10」は「一0」と表記し、「十」の文字は書かないのが一般的です。「一二三」のように横画だけの数字は、線の長さや文字と文字の間隔に気をつけて読み取りやすいように書きましょう。
③宛名
宛名は、住所よりも大きな文字ではがきの中央に書きます。日本郵便の年賀はがきの場合、一番左の郵便番号枠の右縦画が中心の目安となります。宛名を書く際には、文字と文字の間隔をほどよくあけ、上下の余白が目立ちすぎることのないよう気をつけましょう。また、「様」の文字を少し大きめに書くとバランスがよく見えます。夫婦宛で夫人の名前がわからない場合には、「令夫人」と書き、「様」は不要となります。家族宛の場合には、「御家族様」「御一同様」など。会社名は、住所と宛名の間に書きます。書きはじめの位置は、1行目の住所の頭から半文字分ほど下げたところです。役職名は、名前の上に小さな文字で書きます。「代表取締役社長」など長いものは、「代表取締役」と「社長」の2行に分けるとよいでしょう。
④敬称
「様」が一般的です。「殿」は、目下の人に使う敬称とされており、年賀状では使わないほうが無難です。恩師に対しては「先生」、会社などの組織、団体には「御中」を使います。会社名に続き個人名を入れる場合には、個人名につける「様」のみで、「御中」は不要です。幼い子供に対しては、「くん」や「ちゃん」などでも。連名の場合には、一人一人に「様」をつけます。
⑤朱書き
ここでいう朱書きとは、一般郵便と年賀状を区別するために、切手の下に赤字で「年賀」と書き入れることを指します。私製はがきなどを使用する場合には、この朱書きを入れます。「年賀」の文字が無い場合、元日より前に届けられるので気をつけましょう。
通信面
①賀詞
新年を祝う賀詞を文頭に大きめの文字で書きます。「寿」「賀正」「迎春」「頌春」「謹賀新年」「恭賀新年」「謹んで初春のお慶びを申し上げます」「明けましておめでとうございます」などさまざまな賀詞があり、それぞれに意味やニュアンスが異なります。送る相手に適したものを選びましょう。
②本文
賀詞よりも小さな文字で、旧年中の厚誼に対する感謝の言葉、今後の指導を願う言葉、相手の健康や繁栄を祈る言葉などを書きます。また、年賀状では、「、」「。」などの句読点は打たないことがマナーとされています。「区切り」や「終わり」を連想させ、縁起が悪いという考え方によるものです。改行をしたり、一文字分ほど間隔をあけたりと、句読点が無くても読みやすい書き方を心がけましょう。
③年号・日付
「年号(令和)〇〇年 元旦」と書くのが一般的です。西暦でも可。元旦の代わりに「元朝」「一月一日」でも。ちなみに、元旦とは、「一月一日の朝」という意味であるため、「一月一日元旦」と書くのは、重複となり間違いです。
④コメント
印刷された年賀状に手書きのコメントが添えられているとうれしいものです。相手を気づかう言葉や、近況報告、共通の趣味のことなど、相手との関係性に合ったコメントを添えると喜ばれるでしょう。
賀詞について
賀詞とは、祝う気持ちを表す言葉のことです。年賀状では、新年を祝う言葉である「謹賀新年」「明けましておめでとうございます」などの賀詞を使用します。ここで重要となるのが、送る相手に適した賀詞を選ぶということです。
「寿」「賀正」「迎春」「頌春」などのような一文字または二文字の賀詞は丁寧さに欠けるため、目下の人向けとされています。
目上の人には、「謹賀新年」「恭賀新年」「謹んで初春のお慶びを申し上げます」などのように敬意を表す言葉(謹んで、恭しく、など)が入った四文字以上の賀詞を使いましょう。
ちなみに、「明けましておめでとうございます」は、誰にでも使うことのできる賀詞です。
また、賀詞の重複には気をつけましょう。
例えば、「新年あけましておめでとうございます」は、「新年」と「あけまして」が重複しているため、この場合は、「新年おめでとうございます」と書きます。
英語の場合は、「Happy New Year」が正しく、不定冠詞の「A」はつけません。
「A Happy New Year」では、「よいお年を」というような意味合いになってしまいます。
避けたい表現
年賀状は、新年を祝うものであるため、縁起が良くないとされる忌み言葉や暗い表現は避けるようにしましょう。
「去る」「離れる」「別れる」「絶える」「失う」「病む」などがそれにあたります。
前年の厚誼に対する感謝を述べる際にも、「去」の入っている「去年」という言葉は使わず、「昨年」や「旧年」と書きます。
ほかにも、相手の状況を考慮し、気分を害するような言葉や表現は避けるよう心がけましょう。
※こちらに紹介したマナーはごく一般的なものです。相手との関係性などをふまえ、最適と思われる表現をご使用ください。
※送る時期については、日本郵便のサイトなどでご確認ください。